診察の流れ
肛門科の診察の流れは、口頭で症状を説明する問診に始まり視診・触診に進みます。
肛門の診察は約1分~2分ですが、恥ずかしい思いを少しでも少なくするために
腰にバスタオルをかけたり、女性の看護師が介助するなどの配慮を行っています。
●便意があれば排便を済ませておく
直腸に便がない方がよく検査できます。ただし、浣腸や下剤が必要ならば無理に排便する必要はありません。
●着脱しやすい服装
お尻を見せる必要があるため、着脱しやすい服装が便利です。
症状を自分なりに整理
肛門の診察が初めての人は、いきなりの質問に焦ってしまう場合があります。
下記の項目は問診の際によく聞かれる事柄です。
わかる範囲で症状を整理しておくとよいでしょう。
・ 出血 : どんな時に出血するか。出血の量は
・ 痛み : どんな時に痛むか。痛みの程度や種類
・ 脱出 : どんな時に痔核が脱出するか。自然に戻るか。指で押したら戻るか。
・ かゆみ腫れ : かゆみや腫れの位置。程度
・便通の状況 : 便のかたさ、回数、1回当たりにかける時間など
●シムス体位
横に寝そべって膝を軽く前に出します。
もっとも一般的な診察体位です。
●砕石位
シムス体位で患部が見にくい場合に行うことがあります。
●膝胸位
肛門奥に患部がありそうな場合に行うことがあります。
直腸鏡を使った診察を行います。
1 ) 肛門指診
サックをはめた指に麻酔薬を含んだゼリーを塗り、肛門内を触って診察します。
痔の種類や数量、位置などの状態を診るほか、がんやポリープの有無も確認します。
2 ) 肛門鏡を用いた診察
肛門鏡という器具を肛門に挿入して内部を押し広げ、痔核の位置や数量、
大きさなどを診察します。
3 ) さらに詳しい検査には
大腸がんの疑いがある場合には大腸内視鏡を使ってさらに詳しく検査を行うなど、
診察の結果によっては別種の検査を実施する場合があります。